二つの色彩刺激が <色彩・ファッション・デザイン>

等距離にあるにもかかわらず、異なった距離にあるように見える、いわゆる「進出色」「後退色」といわれる現象がある。

これまでの結果では、距離の判断には、色相と明るさの二つが影響を及ぼしていると考えられている。

輝度(きど)の高い色、または明度の高い色が近くに見えるということが指摘されている一方、暖色系の色が近くに見えるということもいわれている。

さらに、大面積になると、かならずしも小面積の場合と結果が一致しないという指摘もある。

したがって、距離の判断には、明るさ、色相、面積などが関連しあっているものと思われる。

色彩の好みは、個人差が大きいといわれる。

ただ、多くの人を対象として調査をし、大きくまとめると、いくつかの傾向がみられる。

たとえば、色相の好みの順位は、(1)青blue、(2)赤red、(3)緑green、(4)紫violet、(5)橙(だいだい)orange、(6)黄yellowとなる。

したがって、青系統、赤系統の色は比較的好きな色とされる場合が多いといえよう。

また年齢によっても色の好みには差があるといわれている。

だいたいの傾向は、年齢が高くなるにしたがい、暖色系から寒色系へ好みが変わってくるといえる。

性、人種などによる差は明確ではなく、むしろ文化的影響があるとされている。

また、色彩の好みは、対象が決まっている場合と、対象を指定しない場合では、同一人でも選択する色が異なることがしばしば生じる。

たとえば、単に好きな色といわれて選択した場合と、スーツの色として選択した場合では、異なる色が選ばれることが多い。

したがって、具体的な対象になると、形、材質など他の要素も入ったうえで、好きな色を選択する傾向があるといってよいであろう。

色彩の美的効果として取り上げられるものに、色彩の調和がある。

色彩の調和とは、二つ以上の色彩が隣接して存在する場合、その組合せによって、見た人に快感情をもたらすことをさしている。

色彩調和論としては、ムーン‐スペンサーMoon & Spencerの調和論がよく知られている。

彼らの調和理論は、配色された色の間の属性差により、調和領域・不調和領域を色体系に対応して設定している。

調和領域は、同等、類似、対立と名づけられ、不調和領域は、第一のあいまい領域、第二のあいまい領域とよばれている。

そして調和の程度を示すものとして、「美度(びど)」を算出する式を提案している。

色彩の調和は配色の場合つねに考慮されねばならないので、服飾、デザイン、室内装飾、外装など、色彩を実際に使用するときに問題となる。

したがって、多くの人々に関心をもたれている。

調和理論は、基本的な配色ルールともいうべきものである。

日常生活においては、さらに個人の関心、経験、訓練といったものが加わることにより、いわゆる配色のセンスのよさというものが形成されるものと思われる。
update:2009年12月14日